終わり
家に引きこもっていたおかげで時計が止まっていたので、明日に備えて時間を合わせる。
電池式じゃないとこういうときに不便だなと思う。
時計のゼンマイを巻き上げると、何事もなかったように動き出して、再び時を刻み始める。その瞬間に僕自身もオフからオンへと気持ちが切り替わる。
でもいつかは時計にも寿命が来てゼンマイを巻いても動かなくなるときが来るのだろう。
同じようにこの僕にもそういう時はいつかやってくるのだろう。それは生死に関わることだけじゃなくてあらゆる場面で遭遇することなのだと思う。
そして、動かそうとしてゼンマイを巻いたとき、初めてその事実に気付くのだ。
終わりは突然やってくる。現実というものは残酷だ。
なんとなくそんなことを思った。