LAST NIGHT
松浦の新曲はバラード。曲に漂うのは昭和の薫り。そういう意味では、曲調は全然違うけどシャボン玉との共通点も。
ただし、実験的な面白さのあったシャボン玉と違って、AM音源しかまだ聴いてないので断言はできないけど、お世辞にもいい曲とは言えないような。
アルバム曲なら許せるとかカップリングならいいとか常套句で逃げ出してしまいたくなる感じです。
名曲と呼ばれるバラードにはどこか一箇所泣かせ所があったりするのですが、これはどこにもないというか引っ掛かりがないですね。
どうも最近の彼女は曲に恵まれていないように思います。僕が、彼女のシングルで最後に良いと思ったのは、桃色片想いでそれ以降の曲ってどうもイマイチな感じです。
僕が彼女を評価するようになったきっかけは、1stアルバム「first kiss」。ハロプロ史上でもベスト3くらいに入る名盤です。このアルバムを聴いたときには彼女の歌手としての未来は約束されていると確信したのですが、どうも最近の曲のレベルを見るとなんだかなあという気がします。
ひょっとしたら、彼女もつんく♂もこのときがピークだったのかもしれない。いや、このアルバムは上に向かって伸びていく彼女の才能と枯れようとして落ちっていっているつんく♂の才能がちょうど交差した瞬間に作られたアルバムだという気がします。その交差した瞬間に奇跡のような作品が生まれたのだと思うのです。
だけど、もう彼女に才能にふさわしい曲は、つんく♂にはもう書けないのだと思う。もしかしたら書けるもしれないけど、彼女一人だけに集中するくらいのエネルギーが必要なのだという気がします。
週単位でリリースされるハロプロ全部の曲を一人のプロデューサーに委ねることの弊害は、前々から指摘されていることなのだけど、それがアーティストの才能をつぶそうとしているとしたらそれはゆゆしきことだなあと思った。