ちょっと泣いた

僕の場合、正月は大抵、寝正月と決めている。今年の正月もいつも通りの寝正月だった。そうすると、必然的にテレビを見る時間が増えてしまうわけで、ぼんやりとしながらテレビを見ながら過ごしていた。多分に漏れず昨日も、ぼんやりとテレビを見ながら過ごしていた。

ちょうど、テレビをつけるとさんまと中村玉緒の司会で視聴者から募集した夢をかなえるという番組をやっていた。正月のスペシャル番組は、大概つまらないものだが案外面白いのでぼんやりと見ていると、アルゼンチンに移住した95歳のおばあさんが何十年ぶりかに故郷の日本に帰って来るという企画をやっていた。

彼女にとって、故郷の土を踏むラストチャンスになるかもしれないこの機会。30時間以上の長旅の末、彼女は日本に帰ってくる。離れ離れになっていた親族との感動的な再会。不幸にも妹さんはすでに亡くなっていた。

つかの間の里帰りを楽しむ彼女。その一つ一つの場面が感動的だった。そして、圧巻だったのは、日本にいたとき仲良くしていたいとことの再会シーン。何十年かぶりにあう二人だが時の流れを感じさせない二人のやりとり。離れて暮らしていても二人の心は通じ合っていたのだ。

何十年と離ればなれに暮らしていた二人の胸の中に去来するものはいったいどんな感情だったのだろうか。それぞれに様々な苦労を重ねて生きてきた二人の人生の重みを思うとちょっと泣けた。

感動的な再会とつかのまの故郷の生活を楽しんで、彼女は、心のふるさとは日本だが今の自分の居場所はアルゼンチンだと言って、アルゼンチンへと帰っていった。

作られた物語よりも、リアリティのある人間ドラマに人は感動するのだと僕は思う。作り込まれたバラエティよりも人の生き様を映したドキュメンタリーや筋書きのないスポーツ。そういうものに人はひかれるのだ。

僕がモーニング娘。という物語に共感したのは、一生懸命夢に向かって努力する、その生き様が素敵に思えたからだ。

彼女達が、鳴り物入りでデビューしたアイドルなら興味を示すことはなかっただろう。だけど、彼女たちは敗者からスタートした決してエリートではない人たちだった。エリートではない彼女たちが必死に努力している、そんな姿に惹かれたのだ。

もはやトップアイドルとなってしまった彼女たちに、そんな人間ドラマは期待するのは難しいのかもしれない。

でも、そんな人間臭いドラマを僕はずっと見ていたいのだ。

今日の腹筋/腕立て/背筋/スクワット:40/20/20/20回