ギャンブル

僕は賭け事はあまり好きではない。理由は別にない。なんとなく好きになれないのだ。まあ、もしかしたら、勝負運というものに恵まれていないせいかいい思い出というのがないのも災いしているのかも知れない。

でも、人生はある種の賭け事だ。一か八かという場面にたびたび遭遇する。そして、昨日の深夜もそれを実感したのだった。

日曜の夜、次の日は月曜。それはまあ当たり前なのだが、休日が終わり、次の日からまた一週間が始まるわけで、夜更かしは厳禁。明日に備えて、早めに休むのが健全な生き方。

でも、サッカーを見たいという気持ちもあって僕は迷っていた。しばらく考えて答えを出した。

見ることにしよう。

勝てば楽しい気持ちで眠れる。次の朝、目が覚めた時、眠さは残っていてもすがすがしい朝を迎えられるだろう。でも負ければ眠たさと悔しさを引きずって眠りにつかなくてはならない。

そして、試合は始まった。

チャンスは作るもののなかなかゴールを割れない日本。決定的チャンスを何度も外し、嫌な予感が頭をよぎる。カウンター一発で結局負けてしまう図が。

しかし、この日は違っていて、相手の調子が悪かったというのもあるが、きっちり守ってピンチをしのぐ。そして、やがて、歓喜の時がやってきた。劇的なゴーーーーーーール。

貴重な一点を守りきって日本は勝った。

試合終了を告げる笛が鳴った瞬間、僕は思った。賭けに勝ったのだと。