本当の卒業式

前に安倍なつみさんの卒業メモリアルDVDを見たとき、鹿児島の娘。ツアーラストの模様が映っていた。

そこにはわざわざ現地まで駆けつけた中澤裕子の映像もあって、その映像を目にして娘。としてのツアーのラストの持つ意味を強く意識させられた。

安倍なつみについては、結局この娘。ツアーラストもハロコンでの娘。の卒業式も現地で目にすることはなかった。

辻と加護については娘。コンでの最後もハロコンでの娘。の卒業式も見ることができた。記憶に新しい夏の代々木ハロコン。たしかにそのセレモニーは感動的ではあったが、ハロコンでの卒業というスタイルに残る違和感というものをぬぐい去ることはできなかった。

そこには明日への強い希望はあったけど、卒業に伴う別れのさびしさというものは乏しかったように思う。それはそれでありといえばありなのだが。

辻加護の卒業式で感じたハロコンでの卒業への違和感となっちの卒業メモリアルDVDで感じた娘。コンでのラストの意味の重さ、その2つを強く意識すればすれるほど秋にある飯田圭織娘。コンとしてのラストへの関心は高まっていったのであった。

そして昨日という日を迎えた。僕は昼過ぎにJR大津駅に降り立ち、娘。ツアーの最終公演が行われる滋賀県びわ湖ホールへと向かった。

会場となるびわ湖ホールは名前の通り琵琶湖のほとりにあり裏手に回ると湖の景色がきれいなホール。聞いたところによると夕日が格別にきれいだそうな。

さて、昼公演が始まった。実はこのツアーを見るのが今日で最初で最後だったりするので、予備知識も何もないまま公演を迎える。

耳になじんだ楽曲のオンパレード、時折交えられる懐かしい楽曲。どちらかといえばこちらのほうが僕的には好みだったりする。もしかして、卒業する彼女に捧げられたものなのかも?

昼公演が終了。前評判的にはあまりいい話を聞いていなかったのだけど、実際に見てみるとすごく楽しい感覚を覚えた。やっぱり、娘。コン特有の楽しさがあって、それはいつまでたっても不変なのだとそう思う。ステージいっぱいに踊る大勢のメンバーの織りなすスペクタルというのは過剰な表現だろうが。でも、このホールのステージは彼女たちには狭すぎると感じないこともなかったり・・・。

昼公演が終わって、いよいよ夜公演。

会場に入って座席につく。最初に流れたBGMに少し驚きを覚える。「Good Morning!」でした。その曲の懐かしい響きに感慨を覚えるとともにこの選曲センスに脱帽。

いよいよスタートした夜公演。さすがに最終公演にふさわしい盛り上がりで公演は進みます。歌の間に挟まれるMCコーナーの中でも飯田圭織のラストを否が応でも意識させられる言葉があちこちに組み込まれていた。

一曲、一曲、クライマックスの時に向けて、階段を少しずつ上っていく感覚を覚えた。

アンコール。一瞬、照明が黄色になって流れるメロディー。そう、あの曲です。「たんぽぽ」・・・。これで感動しないといったら嘘になる。

ラスト歌い終わって公演終了。最後に彼女が出て行って、今年の娘。ツアーは終了したのでした。そして、飯田圭織娘。コンとしての最終公演も。

終わった後に流れる追い出しの曲が「愛の種」。

すべてはそこから始まった。そして、今その曲で終わろうとしているのだということを痛切に僕は感じた。

オリジナルメンバーを失った娘。はこれからどこにいこうとしているのかはわからない。だけど、この琵琶湖のほとりの小さなホールが娘。という歴史に大きな節目を刻む場所になったことだけは確かなことなのだと僕は思った。

そして、飯田圭織の卒業式を見届けることができた喜びが終演後の僕を支配していたのだった。