蛇にピアス

今頃になって金原ひとみの「蛇にピアス」を読み終える。どうも綿矢りさに比べて不人気なようでw、世の中なんつーか結局あれだよねとか思ってしまう。というか、全部まではあえて言いませんが・・・。

ただ、作品としては、こっちのが全然面白かったです。綿矢りさの「蹴りたい背中」の方は、文学少女の空想の世界というかちょっとメルヘンな感じで肌にあわない気がする。なんかリアリティがなさ過ぎるのです。

それに対して、こちらの「蛇にピアス」。こっちもまあ自分とはほど遠い世界だし、突拍子もないという感じは否めない気がします。だけど、不思議とすっと本の中の世界に入っていける感覚がある。

リアルに生きている人の肌の温度とか息づかい、そういう生々しい感覚が文章の中からあふれ出ている感じがします。設定は奇抜で自分とは違う世界の人たちの物語なんだけど、同じ生きている人間として感じる何かがそこにあるような気がするのです。

誰しもが共通で持っている物語がこの作品にはきっとあるのだと僕は思う。というわけで、個人的にはオススメ。

<今日の一枚>No.5/モーニング娘。